誰かに聞いた怖い話
・・・骨の付く村9
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『彼奴の姉ちゃんが言っていたんだ』
『んっ、何をだ?』
『場所じゃ無い?』
『どう言う意味だ?』
『…』
私達は車好きの彼の言葉に、ほぼ同時に反応したのです
私には分かりました…その時の友人達の気持ちが…
例え彼等の発した言葉の意味が、全く別の本質に基づくモノだったとしても…私には分かったのです
実は私もそうだったからでした
私も彼等も…沈黙する事が嫌だったのです
沈黙と暗闇と怯懦を好む何者かが、私達の周りにそっと忍び寄り、私達の事をぐるっと取り囲んでいる…そんな嫌な気配と、肌が粟立つ程の嫌悪感を…私は感じていたのです
『彼奴の姉ちゃんは言ったんだ…此の場所がそうなんだ…そう思うのは間違いだと』
『此の私達人間が住んで居る場所、日本のその全部がそうなんだって…今、あなた達が座って居る椅子の下で、昔に誰かが殺されたかも知れないし、今夜君が眠る布団の下…畳の直ぐ下の地面に、戦で討ち死にした足軽の骸骨が…日に照らされ雨に打たれ…黄ばんでぼろぼろに崩れさり、小さな欠片と化してしまった状態で埋まっている…そしてその骨の持ち主の魂も、その場に止まり…気付いてくれる人を待ち構えている…』
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