誰かに聞いた怖い話
・・・骨の付く村3
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ところが、或る場所を境にそれ迄の道路の舗装状態も、道路沿いの環境も全くと言って良い程変わるのだ

そう、まるで別の道路の様に…だからと言って、その山間地を縫う様に走る道が国道に昇格した訳でも無く、一説に依ると以前大臣の地位に迄登り詰めた代議士の、選挙の地盤の地区だと言う事らしかったが…俺には余り関係の無い事であった

愛車のポテンシャルを引き出せるコース、それがあの当時の俺達の唯一の望みだったんだ





『やっと終わったな』

俺はハンドルを握る友人の気を散らさない様に、彼に話し掛けるのを遠慮していたんだ



『あぁ、県が変わった途端にこれだもんなぁ』



『そうだな、金の有る県と無い県だと…こんなにも違うんだな…見ろよこれ…周りに民家も無いのに、こんなに広い道なんてな…此なら楽しめそうだろ…周りは何処を見渡しても山ばかりだし』

彼は何度か此所に来た事があるのか、先の見えない急なカーブにも関わらずに、殆ど車のスピードを落とさなかった

いや、落とさなかったばかりでは無く…更にアクセルを踏み込んでいた



そして車は、更にスピードを増し左カーブに突入して行った



だから…避けられ無かったんだ

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あきゅろす。
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