誰かに聞いた怖い話
・・・角膜移植10
.
『まぁ…その人物については、別段話すべき事でも無いから脇に置いといて…二人の女性の間が険悪な雰囲気なのは、彼女達の事を良く見続けていなければ、人前では分からない程度だったから、まさか…殺人事件が起こるなんて、誰も思ってもいなかったと僕は思う』

『そして看護師は…ある晩の事、被害者の帰りを待ち伏せてスーパーの雑貨品コーナーで買った包丁を使い…』

『事件の残忍性や、此と言った物的証拠が上がらずに、捜査は暗礁に乗り上げたかに思えたんだ…当然彼女も重要参考人の一人に数えられてはいたんだが、中々崩せぬアリバイと女性の犯行とは考え難い事などから…彼女は直ぐには逮捕されなかったんだ』

『それでも、彼女も内心では穏やかじゃあ無かったんじゃないのかな…そんな時だよ、彼女の同僚の看護師が、彼女達の病院の先輩看護師と、此の間迄入院していた患者とのひそひそ話を聞いたのは…』

『彼女の同僚にしてみれば、少し珍しい話でも…罪を犯した彼女の心境からすれば、その患者を始末しなければ身の破滅だと…そう思い詰めたのも仕方の無い事だった』

『でも、今度は勝手が違ったんだ…彼女の行動は逐一監視され、彼女が行動に出た時が彼女の最期に…』

[前頁へ][次頁へ]

45/95ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!