誰かに聞いた怖い話
・・・角膜移植7
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『多分な…彼女の角膜に最期に映り込んだモノは…自分の全てを奪い去った犯人の姿だった…僕はそう思うんだ』
『でもそれが誰だったのか…犯人が誰だったのか…分からなかったんだよ』
病院長の息子は、私の問い掛けにそう答えました
『でも、黒いシルエットじゃあ…残念だけど犯人逮捕の役には立たないね』
そう呟いたのは、病院長の息子の彼でした
『いや…それ自体が無理さ、それをどう証明するんだよ…本人は既に死んでいるんだぜ』
ぼそりと呟いたのは、車好きな彼でした
確かにそうなのです
あかの他人の見た夢など、誰が信じる事でしょうか
ましてや、はっきりとは顔の見えない犯人の事など…
『でもな、犯人は捕まったんだよ…別の事件を起こしてね』
『えっ!?』
彼の一言に、私達は顔を見合わせたのです
『例の彼女だよ…角膜手術を受けた女の子が、その殺人者に襲われたんだ…彼女の視線を恐れた犯人が、彼女の事を襲ったんだよ』
『それじゃあ…犯人は彼女の身近に居る人物なのか?』
友人の尋ね掛けに…病院長の息子は首を横に振ったのです
そして静かに答えたのでした
『その殺人鬼の正体は…』
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