誰かに聞いた怖い話
74話…角膜移植
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『自分に見えないモノは信じない…自分に聞こえないモノも信じない…自分に理解出来ないモノには…か』

病院長の息子は、そう言葉を続けたのでした



『ところで、その君の通った学校では、今でも夏になると臨海学校を開いているのかい?』

そして彼は、更に続けたのです



『ん…あぁ、勿論続いている筈だよ…何しろ、中止しようとすると学校の教室やプールに現れるし…別の場所に変えても憑いて来る…普段通りにしていれば、小さな悪戯で済むけど…下手に変えようモノならば、何が起きるか分かったもんじゃ無いしな』

『俺の弟の時も、何か起きたみたいだぜ…それにしても、いつ迄現れるのかな』

サーファーの彼は、深い溜め息と共に口を閉ざしました



『さて、次は僕の順番だね…うーん…と、皆はドナー登録って知ってるかい?』



『じゃあ、アイバンクは?』



『うん、そうアイバンクだよ…違うよ、骨髄バンクじゃなくて、アイバンク…ア・イ・バンク』

病院長の息子の出した言葉の意味は、私達でも分かりました



けれども、アイバンクがどんな機関で、どの様な役割を担っているのか…私達には詳しく説明する事など、出来なかったのです

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