誰かに聞いた怖い話
・・・ビーチの夜21
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此の話が、先程先生から聞いた話でした
その理科の先生は身振り手振りで、さも恐ろしげにその話を語ったのです
勿論その話を信じて涙を流し憤る者、少し眉唾だと感じている者、そして全く信じずそっぽを向いている者、又、ただ単に意中の異性とパートナーになれれば良いと、少し邪な気持ちを抱いている者…そんな様々な感情を抱く者達が、その場に座って自分の順番を待って居たのです
その時でした…
俺が誰かの視線を感じたのは…
…誰かが見てる…
…誰かが俺の事を、じっと見ている…
俺は居心地が悪い何者かの視線を受けて、その視線を投げ掛けている者の正体を探ろうと…ゆっくり辺りを見回したのです
ゆっくりと左を見回し…
そして右を見回し…
居ました
俺の視線から、顔を背ける様に俯いた生徒が、皆の一番後ろに座って居たのでした
その顔には見覚えがありませんでした
もっとも、他のクラスや学年の生徒の顔を、全て知ってる訳ではありません
だから、その時は変な奴だと…その程度にしか思っていませんでした
でも、俺は気付いたのです
昨夜の奴に似ていると…昨夜の夢、幻の男の顔に…
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