誰かに聞いた怖い話
・・・ビーチの夜15
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『んっ?だからお前の友達だよ、臨海学校に来られなかった同級生』
『勘違いするなよ!』
サーファーの彼の言葉の意味は、私にも理解出来ないものでした
そんな怪訝そうな私達に対して、彼は話し続けました
『俺の友達は生きてるぞ、俺は彼奴が死んだなんて、一言も言わなかった筈だぞ』
『あれっ?そうかあ?』
車好きな彼の疑問は、私達の疑問でもありました
けれども、良く思い出してみると、そうなのです
確かに彼は、友人は来られなくなった…そう言っていただけでした
その為私達は、彼の友人が不慮の事故で亡くなって、彼の魂が臨海学校にやって来た…そう思い込んでいたのです
『だとしたら、君が砂浜で出合った彼は…君の宿に忍び込んで来た彼は…一体誰だったんだい?』
私の此の疑問は、友人達の疑問でもありました
『それなんだよ!俺も最初は、彼奴だと信じて疑わなかった…でもな、彼奴が高熱を発して臨海学校を休んだと知った…あの次の晩…その時の俺の驚きがどれ程のモノか、お前らに分かるか?』
『…』
『でもな、後になって良く考えてみると、彼奴が本物の彼奴じゃ無かった事が、良く分かるんだ…』
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