誰かに聞いた怖い話
・・・ビーチの夜14
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彼の話を要約すると、校長の依頼により学校を訪れたその老婆は、何故彼の魂が地縛霊としてその臨海学校の行われた海に止どまらずに、その後に行われた林間学校先や学校に迄現れたのか、一つ一つ答えていったのでした

彼は寂しかったのです

生前も…死んで霊魂だけの存在に成り果てた現在も、彼は一人孤独の闇の中にいました

だから彼は、生徒達に悪戯を仕掛けたのです

自分の存在を知って欲しくて、学校の皆が自分の事を忘れない様に…





『それは分かったよ…でも、何で仲の良い友達同士を一緒にしないんだ?』

それは車好きな彼の言葉でした

そしてその質問には、旅行好きな彼が答えたのです



『それはやっぱり…その子が…その子の霊魂が孤独だからだろうね』



『だから何故?』



『仲の良い者同士を一緒にすると、焼き餅を妬くんだよ…でもさ、最初はただの焼き餅だとしても…』

彼はそこで言葉を止めました



『そしていつ迄経っても、誰も気付いてくれないと…人に災いを為す悪霊に…』

此は私の口をついた言葉でした

『それでか、それでお前の友達は死んだんだな、臨海学校の前日に』



『待てよ!誰が死んだって?』

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