誰かに聞いた怖い話
・・・ビーチの夜12
.
『それを俺に聞くのか?』

サーファーの彼は走り屋の彼に向かって、そう短く答えたのです



『悪い、分かる筈が無いよな…俺の質問は無視して、話を続けてくれ』

勿論、走り屋の彼がそう答えるであろう事は、私には分かっていました

何故だか理由は分かりませんが、そう確信していたのです



『次の年もそうだったそうだよ…夜になると何処かの部屋や、お風呂場なんかに不意に顕れて…それで学校も仕方無く、その翌年は臨海学校も林間学校も中止にしたんだ』



『それじゃあ…その幽霊騒ぎも終わったんだね…あっ、でも…それじゃあ、君が体験した話って、確か…臨海学校でだったよね』

病院長の息子はそう言いながら、小首を傾げたのです

彼のその問いに、サーファーの彼は小さく頷き、更に話し続けました



『実は臨海学校も林間学校も中止になった年…出たんだよ、学校のプールに…』

『此の時には学生だけじゃなく、体育の先公も一緒に目撃したそうでな…学校も内密に調べさせたそうなんだ』



『調べる、何を?』

旅行好きな彼は、怪訝そうな面持ちで…いいえ、怪訝そうな声音で尋ねました



『そんなの決まってるだろ、その理由だよ…』

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あきゅろす。
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