誰かに聞いた怖い話
・・・ビーチの夜11
.
『鶴の一声か…それで、その後は?』
『うん…幾ら新しい校長の鶴の一声で、夏の行事が再開される事になっても…当然同じその場所で…と言う訳にはいかなくてな、別の場所…それも海ではなく、山に変更されたんだ…数年の間は…』
『数年?』
私は思わず聞き返していたのです
『そうだよ…俺達が入学する以前に、林間学校から臨海学校に戻っていたんだ…これには少し事情があったらしいんだが…俺がそれを知ったのも此の間の…』
『…』
『実は再開された年から、おかしな事が続いたそうなんだ…参加した生徒達が、おかしなモノを目撃したり…特に何も無い場所で転んで怪我をしたり…そう誰かに足を掴まれて転んだみたいだって…そう言う生徒が何人か…』
『変なモノって…やっぱり…その…幽霊なの?』
私の質問に、彼は黙って頷きました
そして続けたのです
『どうやら目撃した生徒達の話を聞いてみると、海で亡くなった生徒に良く似ているらしいんだ…』
『でもさ、海で…別の場所で亡くなったのに、何で林間学校に憑いて来たんだ?』
走り屋の彼の質問は、至極当然の事でした
何故その彼は、生徒達と共に林間学校迄…
[前頁へ][次頁へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!