誰かに聞いた怖い話
・・・ビーチの夜10
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その沈黙を破り、やがて彼は話し始めました
『俺の通う学校が、何故山へ…林間学校へ行かないのか…何故友人同士を一緒の宿にしないのか…その本当の理由を俺が知ったのは、俺達が学校を卒業してから随分経った、つい最近の事だったんだ…此の間開かれた同窓会の席でな…』
『本当の理由?』
私は思わず尋ね掛けたのです
確かに私も、おかしな点を感じてはいました
『先ずはここからだろうな…』
彼はそう小さく呟くと、その理由を語り始めました
『以前に此の海で、内の学校の生徒が亡くなった事故があったんだ…でも溺れた訳じゃ無いんだぜ…今で言う熱射病ってやつでなんだけど…その事故の後で、一時期臨海学校は中止されたんだ』
『まぁ、当然かもな…上の方が自分の定年後の将来を心配するのは…当然の権利だよな、例え、それが先生だってさ』
旅行好きな彼は、そうしたり顔で答えたのです
それは彼にとっては当たり前の事でした
彼の過ごして来た国々の常識は、千差万別でしたから…
『それからその当時の校長が転勤する迄、一切夏の行事は行われなかったそうなんだ…でも新しく赴任した校長の鶴の一声で、再開が決まってな』
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