誰かに聞いた怖い話
72話…深夜の客
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『実はその男は…あっ、会社員の事ね、その人は…昔の遭難事故の時に、その部隊に所属して居て犠牲になった人間の子孫だったって話しだよ…丁度その温泉近くの、谷川の斜面で発見された人達の内の一人でね』



『そうなんだ…でも、何でだろう?』

私には分かりませんでした



彼等は一帯…何処へ行って居たのでしょうか?



彼等は次元を超えて、何処か昔の時代に跳んでいたのでしょうか



それとも、彼等は単なる幻を見ていたのでしょうか



白日夢と言う…





『まぁ、私達には分からない事だよな、多分…』

確かに私には分からない事でした

此の時の私には、全ての不思議な出来事の本質と言うか…仕組みすら分からなかったのです

そして私は思ったのです



彼ならば何か知っているのだろうか…と





『まぁ現在の国道は全然別の方角を走っているし、わざわざそんな峠越えの山道を通って営業して居ない温泉宿…じゃあないや、温泉宿の跡地に残る露天風呂に入りに行く物好きは、それ程多くは居ないだろうし…ましてや温泉が枯れて居るんじゃね…』

旅行好きの彼は、そう締め括ったのでした



『次は私か…実はタクシーの…』

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あきゅろす。
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