誰かに聞いた怖い話
・・・疑惑から疑心へ18
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そして彼は…未だ語らなかった事実を口にしたのでした



『そうじゃ無いんだ、未だ言って無かったと思うけど…そのテントの中には、沢山の腕時計やネックレス等の貴金属、それに…色々な…そう男物や女物の財布やポーチ類が転がっていたそうなんだ』

更に彼は、次の言葉で締め括ったのでした



『そしてそのブルーシートのテントの側に、ぽっかりと口を開けている穴の底には…無数の白いモノが散らばっていたそうだ…そしてその穴の中からは強い腐臭が…』



『白いモノって…やっぱり人骨…なのかい?』

恐る恐る尋ねた私に、車好きの彼は無言で頷いたのです



それは一つの事実を裏付けているのです

地元の山菜取りの人達や興味津津で訪れる若者達、そして自分自身の存在にピリオドを打とうとする哀しい人達しか余り訪れぬ此の樹海の中で、彼がどの様にして生き抜いていたのかを…



『ただ…少し気になる事があるって、その人が言っていたんだ』



『何だよ、気になる事って?』

サーファーの彼は、そう尋ねました



『それがさぁ…どうやら、彼一人で暮らして居たんじゃ無い可能性があるんだよ』



『それは一体、どう言う事なのさ?』

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