誰かに聞いた怖い話
・・・羊頭狗肉16
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『えぇ…でも、お願いよ…誰にも言わないで』
『……分かったよ、誰にも言わないから』
俯く私に夫は約束してくれたのです
でも…夫のこの約束が守られる事は…ありませんでした
あろう事か…私の夫は、地域の親睦の為に毎年開かれる忘年会の席で、まともに歩けない程酔っ払った挙げ句に、隣りに座った住民にぽろっとこぼしてしまったのです
その場での話が、町中に広まるのは早いものでした…
当初はなるべく話に関わろうとはしなかった私も、そこかしこでその話が囁かれる様になった頃には、人に問われるままに答える事すら出来る様になっていたのです
けれども…その事が後になって、私や私の家族に厄災を招く事を、その時の私は知る由も無かったのでした
『…と言う訳なんだよ、私が昔に聞いた話なんだけどね』
『ふーん…やっぱり昔からあったんだな…いや、違うか…昔だからかな』
そう呟いたのは、サーファーの彼でした
『そうだね、その当時にそう教えられて育った人達が、今は重役…社長様で立派な椅子に踏ん反り返って居るんだろうな…問題を起こす会社は…』
『その肉屋…故郷に帰って来たのかな?』
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