誰かに聞いた怖い話
・・・アーチ2
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『その場所にカップルで行き、スナップ写真を撮ると、必ず別れる事になる…そう言われている場所が在るんだよ』

『この手の話は良く聞くだろう…でもな、この場所では、別れる…の意味が違っていたんだ』

『それじゃあ、聞いてくれ…友人の話を…』





その海水浴場は、町から少し離れているせいか割りと綺麗なのだが、訪れているのは観光客ばかりで何故か地元客の姿は少なく、都心から日帰りでも行ける穴場的な場所として、一部の人に知られていた





『どうだ、綺麗な海だろう』



『そうですね、先輩』

この時僕は高校生で、怪我をした兄貴の代わりに、兄貴の友人達に連れられて、その海水浴場へと遊びに来ていた

その海水浴場は、その地方でも有数の大きな街から海岸線を右手に臨み、車で北へと20分程走った場所にあったのだ



『泳ごうよ!あのブロックの所迄』

そう言って、真っ先に砂浜を駆け出していたのは、僕をここ迄乗せて来てくれた車の、助手席に座っていた女の子だった



『こら待て!』

勿論彼女の後を最初に追ったのは、車を運転していた兄貴の友人だったんだ



『君もおいでよ〜』

その声に、僕も駆け出していたんだ

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あきゅろす。
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