誰かに聞いた怖い話
・・・古都23
.
『結局…何がなんだか…どうだ、何かわかったのか?』
『…』
僕達はその後、僕が以前歩き回った道筋を写真と比較しながら歩き回り、古都を囲む山並みに夕陽が陰り辺りに夕闇が迫る頃、僕達は帰路についたのだった
『…』
僕はゆっくりと走る電車に揺られながら、すっかり闇に包まれた古都を、明るい車内から眺めていた
流石にこの時間ともなると、昼間のむっとする様な蒸し暑さもすっかり失せて、身に付けたTシャツ一枚では少し肌寒さすら感じるのは、この土地独特のモノなのだろうか?
それとも…何か特別の…何かのせいなのだろうか?
僕は、更に濃くなる闇を…ぼんやりと眺めていたんだ
『それにしても、今時の坊さんは変わってるんだな』
『…』
それは、友人の独り言だった
『今時は頭を剃らないんだな、俺は坊さんって云うと、つるつるに剃り上げた頭を想像しちゃうんだけどな』
『いったい、何の…?』
『だからさぁ、最初に向かった場所で会った、あの坊さんの事だよ』
『あの首塚の?』
『変な奴だな、他に何処が在るんだよ』
『…?』
『そうそう…あの時の君の態度は…』
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