誰かに聞いた怖い話
・・・秘伝18
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浴室には、赤味をおびた水が流れる音だけが、さらさらと聞こえていた
今度の獲物は、良い物ばかりを食べているらしく、丸々と脂がのって軟らかそうだ
俺はソイツを上から見下ろし、舌舐めずりをしながら血抜きの終わるのを、ただ黙って眺めていたんだ…
誤算は何処からともなくやって来る…
アイツは、街の金貸しから多額の金を借りていた
そして金貸しに借金の一部を返す時に、金の成る木を見つけたと自慢をしたらしいのだ
街の金貸しが、そんな巧い話を見逃す筈は無かった…
アイツは、尾行されていると気付きもせずに、俺の店に三度目の来訪をしたのだった
誤算は何処からともなくやって来る…
嬉しい誤算が…
この事件が世間に知られる事となった経緯は、男にとっては不運なものだった
アイツと金貸しの二人が、行方不明になって暫く経ったある日、店に見慣れない男が二人やって来たのである
別に何か聞かれる訳でも無かったのだが、折角注文した料理にも殆んど手を付けずに、辺りを窺っている様子だった
一見すると、冴えないサラリーマン風なのだが、何かおかしいのである
その日は偶々、息子が友達を連れて店を訪れていた
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