誰かに聞いた怖い話
・・・堀炬燵5

.
『看護師さん?』

サーファーの彼の言葉に友人は訝しげに答えた…



『あぁ、そうだ…看護師さんは、今どうしてる?』



『それがな…行方不明なんだよ』

『…寮の部屋で鍵を掛けたまま居なくなってさ……炬燵の電気が付けたままだったから、火事の心配があったって寮長さんが怒っていたんだよ…』



『やっぱりそうか…』



『何か知ってるのか?』

私が彼に訊ねると、この話の続きをはじめた…





彼女は友達を助け出した時…チラッと炬燵の中を見てしまったのだ、中は漆黒の闇で何か蠢いている気配だけがしていたそうだ

その後、彼女の処置で奇跡的に助かった友達や、もう1人の友達とは疎遠になり…彼女は勤め先を変えて友人の親の病院に勤める事になったそうだが…

いつも何かに見られている気がすると、俺の先輩の彼女に相談していたそうだが、突然連絡が無くなった為、心配していたみたいだ……



『でも…本当に何処へ行ってしまったんだろう…』

私の呟きに誰も答えなかった…

……私は奇妙な因縁みたいなものを感じた、もしかすると私自身もその因縁に関わってしまうかも知れない予感を感じていたのだった……

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