誰かに聞いた怖い話
42話…告白7
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『私達は…あのお風呂で…私があの時…お風呂から上がろうとした時に…誰かに足を掴まれて転んだの、あなた達もさっき見たでしょ…小さな手の跡…』
『あなた達は先に湯船から上がっていたから、気が付かなかったでしょ?私の足を掴んだ手の事は…』
『そうね、それを知ってるのは掴まれたあなたと…後ろにいて一部始終を見ていた、私だけね…皆、ごめんね…先生にも黙っていて、すみません』
『良いんですよ、先輩』
『そうですよ、皆隠し事をしていたんだし…それに誰も信じなかったろうし』
『そうそう、下手に信じられて騒ぎになっても大変だったし』
『それもそうね、お互い様か…』
そうして私達は、長年気にかかっていた話を打ち明ける事が出来た安堵感からか、笑い出していました
『ねぇ先輩、あの子供は誰なんでしょう?』
『先生、先生は…聞いてるんですよね?』
『えぇ…聞いてるわ』
『あの離れに起こった事件の事を…』
『皆の話も済んだみたいだから、話すわね……あの離れはね、今から……』
先生の話は、日本がアメリカと戦争をしていた頃に遡った…
当時あの離れは、近在を治める名主の持ち物だった
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