誰かに聞いた怖い話
・・・告白6

.
それで私は、そっと先生の方を盗み見たのです

けれども先生は何も語ろうとはせず、黙って目を閉じていました

でも…ちゃんと聞いているのは、先生の苦しそうな顔の表情を見れば、一目でわかりました

それで私もあえて先生に尋ねようとはせずに、少し話題を変えたのです

それは私にとっても、気になる話だったから…



『それはそうと…さっき子供の頭の傷痕がどうの…って、言ってなかった?』

私のその言葉を聞いて、一つ年下の彼女の肩が、又してもびくんと動いたのを…私は見逃しませんでした



『あの時…その子供の頭には…大きな傷痕があったんです』

『まるで…何か硬いもので割られた様な…』

私の問いに一番年若の彼女が答えました



『ねぇ…その傷痕って…丁度頭の真ん中あたりじゃなかった?』



『えぇ…そうですけど…』



『やっぱり…私も見たの…あの晩に…』

『それに……それに、あの時…私が皆さんの事を、部屋で一人で待っていた時にも…多分あの時の顔も…』



『そうなんですか…私だけじゃなかったんですね』



『そうなんだ…私達は顔は見てないけど…』

親友は私の方をちらっと見ると、話を続けたのです

[前頁へ][次頁へ]

40/97ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!