誰かに聞いた怖い話
・・・告白5
.
『あの日の後…現れるんです…毎月同じ頃になると…』
『…』
『…』
『?』
『知ってるわ…十日頃でしょ…』
それは先程彼女の痣を見た時に、皆の中で唯一人驚きの声を上げなかった私の親友が、ぽつりと洩らした言葉でした…
そして怪訝そうな顔色の私達の目の前で、彼女はスラックスの裾を捲り上げたのでした…
『それにしても…二人共同じ様な痣が出来てるなんて…私、ちっとも知らなかった…然も10年前からずっとなんて…』
『ごめん、でも親友のあなたにも言えなかった…こんな痣の事』
『見てるだけで気味が悪いもん…』
『私もなんです、先輩…誰にも知られない様にサポーター巻いたりして…』
『そっか、だからプールも…私はてっきりアノ日かなと思ってた』
『もう、あなたは相変わらず口が悪いわね』
『すみません…ごめんね、悩んでたのに』
一つ年下の彼女は、慌てて後輩に謝りました
『やっぱり…あの旅館での…何かの祟りなのかな?』
『そうとしか…考えられないわね…あなたの手首の痣も、あなたの足首のその痣も…』
ふと私はこの時、何も喋らない先生の事が気になりました…
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