誰かに聞いた怖い話
42話…告白
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『先生、さっきも言った様に…旦那を見送って法事をすませたら、家を出るわ』



『先生、住む所なんかは決まっているんですか?』



『えぇ、それは大丈夫なの、駅の近くの小さなビルを手に入れてあるから』

『そこの3階に住もうと思うの』

『それでね…先生、お店を始めようと思ってるの、そのお店を皆にも手伝って欲しいのよ』



『お店…ですか?』

私の親友は、意外な話に困惑した様でした



『面白そうですねぇ、私は良いですよ、先輩達もやりましょうよ』

『私も、今の仕事…あんまり面白く無いし…先生や先輩方と一緒なら…』

どうやら二人の後輩達は、この話には乗り気の様でした



『…』

私はこの時、少し迷っていたのです



『勿論直ぐに返事をしてとは言わないわ、良く考えておいてね…』

先生は迷っている私の方を、横目でチラッと眺めながら、急に改まった顔付きになり話を続けたのです



『それでね…先生、皆に黙っていた事が有るの』



『…?』

『黙っていた事?』

『何ですか?』

私を見つめている友人の瞳が、私に答えを求めている…そう感じた時です…先生がアノ時の事を、話し出したのでした…

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あきゅろす。
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