誰かに聞いた怖い話
・・・胸騒ぎ6
.
先程とは違ったトイレの個室に入りながら、私は小さな頃の事を考えていました
『あれから、色々な事があったなぁ…あの日から…』
自分でも知らず知らずの内に、唇から溢れ落ちた言葉に自分でも驚きつつ、何故かしら心が落ち着かないのは、このキャンプ場と云う非日常の世界に…静寂の世界に身を置いているせいなのでしょうか?
それだけだったのでしょうか?
私は何故だかわからない胸騒ぎに、身震いをしていたのでした…
『待たせたかな?』
『いや…』
『しかし…本当に皆、お酒強いよなぁ…まるで水を呑んでるみたいだもんな』
『…』
『まぁ…そう言う私も、今日は酔わないんだよね、呑んで無いみたいに…』
『…』
『それじゃあ、あんまり待たせるのも悪いし…戻ろうか』
『そうだな…』
『?』
私はいつもよりも無口な彼と肩を並べて、暗闇の中に小さく灯る焚き火へと歩き出しました…二人とも無言のままで…
『じゃあ…続きから話すよ…』
無口になってしまった友人達に向かって、私は話の続きを始めたのです
『それでね、皆に相談があるの』
『先生…相談ですか?』
[前頁へ][次頁へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!