誰かに聞いた怖い話
・・・胸騒ぎ4
.
『来てくれたのね』

不意に掛けられた言葉に…後ろを振り返った僕の前には、一人の若い女性が立っておりました…

しかしその女性の顔は、僕の記憶には少しも残っていなかったのです



『あなたが…電話の?』



『そうよ、初めまして』



『えっ?』

今…初めまして…って…

確か電話では前に会ってるって…



『ごめんなさい、初対面だと言うと、君が警戒して来てくれないかも知れないと思って…』



『…』

この人は本当に…兄ちゃんと知り合いなのかな?

まさか…新手のキャッチじゃ無いよな…



『私はキャッチ商法のバイトなんて一度もしてないわ…疑っているのね…私がお兄さんの知り合いって言うのが、本当かどうか…』

僕の顔を一瞬よぎった疑惑の色を読んだのだろうか、驚いた事に彼女は僕の考えていた事を口にしたんだ



『い、いや…そんな事は…』

図星を指されて狼狽し口籠る僕に、彼女は良いのよと言った

そして彼女は…不思議な話を始めたんだ





『電話で話した事は本当の事よ、君と会った事が無い事以外わね』

『余り時間が無いから、本題から話すわね』



『時間が無い?』



『そうなの』

[前頁へ][次頁へ]

32/97ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!