誰かに聞いた怖い話
41話…胸騒ぎ
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『ふぅ…ずっと話してたから喉がからからだよ…』
私はそう言って、ぬるくなってしまった焼酎の水割りに手を伸ばしたのです
私の友人達も私につられたのか、各々のカップに口をつけて喉の渇きを鎮めた様です
『ちょっと一休みして、トイレに行って来るから…』
『一緒に行くかい?』
私は暗闇の中の誘蛾燈の様に、暗いキャンプ場の片隅に浮かび上がるトイレ迄、一人歩いて行くのが心細くて…友人達を誘ったのです
『俺はいいや』
『僕も…さっき行ったばかりだし』
『そうだな…僕もここで飲んでるよ』
『…』
『そっか、じゃあ…行って来るか…』
私は仕方なしに立ち上がり、歩き出そうとしました
『俺も…行くよ』
そして私達二人は、歩き出したのでした
『一人じゃ怖いのか…やっぱり……だな』
私達の後ろ姿に向かって、友人が独り言の様に呟いた言葉は、私の耳には届きませんでした
勿論…私の居ない間に交わされた…三人の会話も…
『なぁ、お前は弟の事をどう思う?』
『ん?元気だし素直だし、良い弟じゃないのかな』
『いや、そう言う意味じゃ無いんだが……まぁいいか』
『ん?』
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