誰かに聞いた怖い話
40話…10年後の再会
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結局…昨夜この部屋で起こった出来事に気付いた者は、この部屋では私以外には誰もおりませんでした

ただ…赤く腫れぼったい目をしていた先輩だけは、何かを知っているみたいでしたが…

その夜に起こった一連の出来事については、暗黙の了解の元でタブーとされ、それ以降私達がその夜の事について話す機会は無かったのです…





この日の練習試合には、怪我をした部長に代わり私が出場しましたが、昨夜の出来事で睡眠不足だった為か、体調が悪く完敗してしまいました…

こうして私達の遠征は、後味の悪い嫌な幕切れを迎えたのです

その上救急車で病院に運ばれた部長は、運の悪い事に足を骨折しており、結局最後の大会には出場出来ずに…チームの要を欠いた我がチームも、二回戦敗退と散々な結果だったのでした

こうして先輩達の部活動も、終わりを迎えたのです

そして春を迎え…桜の季節になり、私達は各々の道に進んだのでした





『先輩…先輩…もう少しで着きますよ』

私は助手席で眠る先輩に、声を掛けました

この先輩は私より一つ歳上で、部のマネージャー的存在の人でした



『うぅーん…あら、やだ…私寝てたんだ』



『えぇ、すっかり』

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