誰かに聞いた怖い話
・・・異変の始まり5
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『仲居さん?そんな人…来たの?』
『そんな事より、メシよメシ!さぁ早く行くわよ!』
『待ってよ、そんなに引っ張らないでよ』
私はその友人の言葉の意味を深く考える刻も与えられずに、本館の方へと引き立てられて行ったのでした…
頭の片隅に不思議な仲居さんの事と、さっき黒い影にまとわり付かれていた新入生の事を追いやりながら…
『いただきま〜す』
『ねえ、お醤油取って』
『これって…何の葉っぱ?』
『あっ!これ美味しい』
私達が夕食を食べている大広間は、若い女子学生達の話し声で隣の娘との会話すら満足に出来ませんでした…
私は隣に座る部長であり…部の要の選手でもある親友と、今日の料理の事を話しながら…さっきの仲居さんの事を考えていたのでした
『お客様…お食事の用意が出来ましたから、大広間の方にお越しください』
あの時…確かにそう言う仲居さんの姿を、私は見たのですが…
あの部屋では、私以外は気付かなかったみたいなのです
まぁ…お喋りに夢中になっていると、休み時間が終わり先生の来たのにも気付かない事など、別段変わった事では無いのですが…この時はいつもとは何処か違ったのでした
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