誰かに聞いた怖い話
29話…続同じ道
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『この間はこの店の事でごたごたしていてゆっくりと話せなかったんだけど、何かあったの…?』
『随分と顔色が良くなかったみたいだけど…』
『あ、あぁ…まあな…』
『ねぇ…何か悩み事?』
『私で良ければ相談にのるわよ』
『但し!借金の申込み以外ならね…うふふふ…』
霊能者の勧めで店のカウンターの裏に毎日塩とお酒を供えるようになってから、店内での酔っ払い達の喧嘩騒ぎや、カップルの痴話喧嘩も大分減って来ているようで、彼女もこの所の幽霊騒ぎから少しは解放されたのか、他に気を配る余裕が出てきたようだった
『実はさ……』
俺はこの間店に行った時に話しそびれた、不思議な体験話を彼女に語って聞かせる事にしたんだ…その話が彼女を泣かせる事になるとも知らずに…な…
『…と云う訳で、もう少しで対向車とぶつかる所だったんだ…まぁ少しはガードレールに擦っちまったけどな』
『本当について無いよな、車の修理代も馬鹿に……?』
『…』
『おい、どうしたんだよ?』
『急に泣き出したりして…』
俺は一人で話に夢中になってる間に、いつの間にか涙を流していた彼女に驚き、彼女を問い詰めたんだ…
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