誰かに聞いた怖い話
・・・座る女2
.
彼女は俺に頼み事があると言いながら、この店の事を話し始めたんだ

彼女の話だとこの店の経営者は、ほんの短い期間に何人も変わっているんだそうだ…

商売には素人の俺が見ても、この店の立つ場所は俺達の通う大学の最寄りの駅近くに在り、決して立地的には悪いとは思えなかった…

むしろ立地的には申し分無い筈なのに…何故なのだろうか?

その答えは意外な所にあったんだ





彼女の話を聞きながら店の内部を見回していた俺は、カウンターの一番奥の席が気になってじっと眺めていたんだ…

そんな俺の様子を彼女は黙って見ていた…





『やっぱりわかるのね…』

そんな俺に、突然彼女が語りかけて来たんだ



『え…?』



『実は相談と云うのはね、あなたに除霊をして欲しいの…』



『えっ!今何て言ったんだ?』



『…だから…あなたに幽霊を祓って欲しいの』

『店のママにあなたの事を話したら、是非にと言われたわ…ね、お願い』



『ちょっと待てよ!俺にはそんな力は無いぞ!』

『いったい、どうしたらそんな話になるんだよ』



『えぇ…そんなぁ…何とかしてよ、男でしょ』



『…じゃあ…話だけは聞くよ…』

[前頁へ][次頁へ]

40/97ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!