誰かに聞いた怖い話
・・・同じ道2
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その時期には珍しく昼前から温度計の針がグングンと上がり、お昼をちょっと過ぎた頃には、テレビで季節外れの夏日のニュースが流れていた…

その日俺は一日中エアコンを効かせた部屋の中で、何をするでもなくゴロゴロしていたのだが、夕陽が西に傾きはじめる頃に…ようやく自分の車で一走りして来ようと部屋を出たんだ

部屋を出た途端、ムッとする様な生温い空気が俺を包み、一度に顔や背中から汗が吹き出して来るのがわかった





『うわっ! 暑いなぁ…』

近くの駐車場に停めて置いた愛車のドアを開けた途端、季節外れの晴天に焼かれた熱風が外に溢れ出し、俺はまだギラギラと照り付ける太陽に焼かれながら、暫くの間エアコンを全開にして待たなければならなかったんだ



『今日はどこに行こうかな…』

口ではそう言いながら、行く場所は既に決まっていた…

いつも走りに行っている、あの峠に…あそこなら多分、標高が高いぶん涼しいに違いない

俺はそう思いながら、二本目の煙草に火を着けていた…





キィー、キキィキキィー

俺の愛車の後輪のタイヤが、グリップを失って右に流れて行くのがわかった…

今日はやはり何かが違っていた…

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