誰かに聞いた怖い話
・・・回る足音5

.
その足音は辺りが明るくなって来る迄、ずっと続いたのでした…





僕は足音が消えてからも、暫くの間はテントから出ようとしませんでした

テントの布地を通して日の出を感じて、僕はテントのメッシュ地のファスナーを上げ…外布のファスナーをゆっくりと上げてから、恐る恐る明るくなって来ている外に顔を出したのです…





僕の見上げる視線の先には、うなだれた大きな男が立っていたのでした…



夜はまだ明けてはいませんでした…

僕は近付いて来る大きな男から逃れる様に、テントのファスナーを慌てて下げたのでした…



それからも暫くの間…

本当の朝日が山陰からその姿をのぞかせる迄、テントの周りを歩き回る足音は続いたのでした…





『やがて炊事場から人声が聞こえて来る様になって、僕はテントを出てみたんだよ』

『僕のテントの近くには、誰もテントを張って居なかった』

『それどころか、僕のテントの周りに人の足跡は無かったんだよ』

『僕は旅行から帰ってから、旅先で買って来た心霊マップを見ている時に気付いたんだ』

『僕の泊まったキャンプ場に出る幽霊の存在に…』

『でも…何故、米兵らしい幽霊なんだろう…』

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あきゅろす。
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