誰かに聞いた怖い話
・・・回る足音3
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そこは一応、管理人の居る有料キャンプ場である

最も夜間は無人になってしまうみたいなのだが…

湖畔にはキャンパー達の為の食料品や、細々としたお土産を売る売店が幾つかあるだけだった…

もちろんトイレは幾つかあるが、風呂は車かバイクで暫く走った温泉地に行かなければならない…

僕はキャンプ場ガイドブックで知っていたから、来る途中…と言っても100kmは離れているだろうか…?汗を流して来ていた…




『今日は風が強いな…』

僕は白い湯気を吹き上げながら良い匂いを立て始めた飯盒を脇目で見ながら、まばらに張られたテント達より少し離れた場所に自分のテントを張っていた

山の中の湖のせいか…日の暮れるのが早そうだった

僕は手早くテントを設置して、有り合わせの材料で簡単な料理を作っていったんだ

飯盒で炊いた御飯の少し焦げて芳ばしい匂いと、有り合わせとは云え北の大地が育んだ、新鮮な食材で作った料理が不味い筈がなく…

僕はいつもより食がすすんだ…

そして、北キツネや羆が匂いにつられて来ないように、きちんと後片付けを済ませると…来る途中で汲んで来た美味しい水で、焼酎を割り…

湖を照らす夕陽を眺めていた…

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あきゅろす。
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