誰かに聞いた怖い話
・・・回る足音２
.
『その湖の西側の高台にある展望台からは、北海道でも三本の指に入ると言われている、それは綺麗な湖があるんだ…』



『そこが舞台なのか？』



『いや、そこは本当に綺麗な湖だから、行く機会があったら一度見てくると良いよ、ただ…近くに行こうとはしちゃ駄目だよ、羆の住みかだから…』

『やっぱり問題の場所の話の前に、どんな地理かを説明して置かないとね』

『…そこから南に下ると、湖の西岸沿いにも有名な心霊スポットがあるけど…今はその話じゃないから飛ばして…それにとっても怖い話だしね』

『更に南に下り、広い道路に突き当たったら左に曲がり、湖の南岸を東に進むんだ…』

『…すると道路の右手に、山への登山道が見えて来る…そこは岩壁一面に青々とした苔が生えているんだ、山の上の方迄ずっと…』

『そして、その入口を右手に見ながら…更に真っ直ぐ進むんだ…すると幾つかの湖畔への入口を過ぎた後、その場所への入口が左手の湖に向かって延びているんだ…』

『僕は旅行から帰って…函館で買った心霊スポットの地図を見る迄知らなかったんだ…そこもそうだったなんて…何の変哲も無いキャンプ場に、この世のものじゃ無い存在が居るなんて…』
［前頁へ］［次頁へ］

28/97ﾍﾟｰｼﾞ
[戻る]
あきゅろす。
[小説ﾅﾋﾞ|小説大賞]
無料HPエムペ！