誰かに聞いた怖い話
26話…回る足音
.
『僕は今でも…携帯の着信履歴を気にしてしまうんだ』



『いつか又…かかって来るかも知れない…と言う事か?』



『うん…』

彼はそう答えると、押し黙ってしまいました



『私も携帯で気になる話を聞いた事があって…それは夜…部屋の電気をつけたまま、携帯サイト…オカルト関係のサイトを観てからサイトのアクセスを切って、携帯画面が自然に省電力機能で暗くなった時…画面に映る自分の顔の右後ろに、蒼白い髪を振り乱した女性が映り込む事がある…そう言う話なんだけど…今度試しにやってみなよ』



『だから、そう言う生々しい話はやめにしてくれ…』



『あははははっ…じゃあ又、変な話が出ない内に、僕が北海道のキャンプ場で体験した話をするよ』



『そうしてくれ』



『あはは…じゃあ…ふぅ…』

彼はそう答えてからもひとしきり又笑い、大きく息を吸い込み…そして小さく吐いて息を整えてから話し始めたのだった…





『そこは山に囲まれた深く澄みきった湖で、厳寒の北海道においても凍らない湖と言われているんだ』

『その湖の周りには車で走れる道路があって、昔は舗装されていない砂利道だったけど、今では綺麗な道だよ』

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