誰かに聞いた怖い話
・・・身近な恐怖(伍)10
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僕はバイクのエンジンをかけて走り出そうとしましたが、後輪が何故か空回りして走り出せません

まるで何かに引っ掛かっているみたいに…



『おかしいな?』

それでも僕はバイクのアクセルを更に開き、漸く舗装された山道に走り出せたのです…





それから数日後の、あの日の様な雨の晩の事でした…

時刻は…そう、1時を回った頃でした…

遅い時間から始まる、いつものTV番組も終わり…

帰宅して直ぐに風呂には一度入っていたので、少し熱めのシャワーを浴びて眠りについたのです

その日も、今迄の一日と同じ様に過ぎてゆく筈でした…

僕は眠りにつく迄のほんの短い間、新しい携帯を玩具の様にいじり回し、いつしか深い眠りに落ちていたようです

そんな僕の眠りを妨げたのは、耳慣れない携帯の呼び出し音でした…





♪〜♪〜〜♪〜♪……

『…』

♪〜〜♪〜♪〜〜……

『う〜ん……何だよ…今頃…』

〜♪〜♪〜〜♪…ピッ

『はい…だ…』

誰だよ…と言いかけた僕の耳に、すすり泣く様な泣き声が聞こえて来て、僕は息を潜めて左耳に神経を集中させたのです…



『どうして来てくれないの……私…ず〜っと待ってるんだよ』

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