誰かに聞いた怖い話
24話…身近な恐怖(四)

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『俺が怖いのは、どの部屋でも無くて…引き戸の隙間なんだ』

『昔から引き戸の隙間は、異世界と繋がっている…って云われて来たから、少し…ほんの少しでも隙間があると、そこから悪いモノがジッと覗いている様で気味が悪い』

『引き戸じゃあ無くても、タンスの開きがたまにギーツ…と開くことがないか?そんな時俺はそのタンスの中に誰か潜んでいて、急に開きを開けて襲いかかって来る…そんな想像をしてしまう事があるんだ』

『現に引き戸の隙間は、霊道に繋がっているって云う霊能者もいるしな…』



『そうだな、タンスやクローゼットの中に死体を隠す手口は、ミステリーの世界では沢山あるしな』



『そう言えば…昔、山の中に放置されていた冷蔵庫の中に、切断された遺体が隠されていた事があったよな?』



『うーん…この頃は、そんな事件ばかりで…どれがどれだか?』



『本当に嫌な世の中になったね、毎日毎日テレビやラジオで、殺人事件や悲惨な交通事故のニュースが流れない日は無いんじゃないか?』



『そうだね、何処が治安が良いんだか…』

『最後は僕か…僕は家の中と云うより、携帯が怖いんだ』



『携帯?』



『そう…携帯』

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あきゅろす。
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