誰かに聞いた怖い話
・・・身近な恐怖(壱)2
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『私、絶対に赦さない!訴えてやる!』



『落ち着いて下さい…大丈夫、治りますから…来週初めに、もう一度手術しましょう、ね、大丈夫ですから』

その医者は患者さんの不安を取り除くように、患者さんに向かって真剣な表情でそう言った…



でも…彼が考えている事は、優しそうな表情とは全然違っていたのだ…



こいつは何を言っているんだ、どんなに手術したって、その顔が綺麗になる筈が無いじゃないか…それなのに、どいつもこいつも…

まぁいい…あんまり騒ぐようなら、いつもの通りに…





『…』

『わかりました…もう一度…先生を信用してお任せします』

『でも!今度失敗したら、絶対に訴えますから!』



『任せて下さい、今度包帯を取った時は、必ずアナタの気に入るようになっていますよ』

彼はそう請け負った…

何の保証も無いのに…



その病院はとかく噂の絶えない病院であった

確かに流行っていて、マスコミの受けも良く利用者も多かったが…その反面、入院患者…それも若い独身の女性が、いつの間にか退院していて…その後の行方がわからなくなる…と言う噂だった

勿論、何の証拠も無いただの噂だった…あの日迄は…

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