誰かに聞いた怖い話
キャンプ場の夜5

.
『お前さぁ、この手の話し嫌いだったよなぁ』

友人の1人が彼に尋ねた



『う〜ん…いや、この間の事もあるしいいぜ』

彼の言葉に皆ホッとはしたものの、別の心配が出てきてしまう



『でもさぁ…お前は怪談話知らないだろうから、聴く方でいいよ』

さっきの友人が言葉を重ねる…

すると彼の口から意外な答えが返ってきたのだった



『あのなぁ…何か勘違いしてねぇか!…嫌いだからって、知らない訳じゃないんだぜ!……むしろ、俺の方が知ってるかもな……サーファーと海…海と言えば不思議な体験話は、腐る程あるんだぜ…』

彼はそこまで喋ると、缶ビールで喉を潤した

『ふう…、只…今まで信じて無かったから話さなかったんだ…』



『そうか、すまん…じゃあ全員で交互に回しながら話すって言うのでいいか?』


『ああ…』



『そうしようぜ』



『うん、それがいいな』



『そうしよっか』

皆怖い話が好きな面々なので、人里離れた湖畔のキャンプ場で、しかもキャンパーは私達と家族連れの一組という状況において尚、皆の表情は明るかった…

この時はまだ……

『じゃあ俺からでいいか?』

…そうして話は始まった

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