誰かに聞いた怖い話
・・・夢の少女7
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そして彼女が時代を遡れば遡る程、僕が無くした記憶に近づくような…そんな言いようのない懐かしさが、僕の中に込み上げて来るのを感じました…





やがて…青い空にぽっかりと浮かぶ白い雲を背にして、僕の目の前にその島が姿を現しました…

初めはポツン…と、ほんの小さな黒い点でしか無かったのに…その点は段々と大きくなって…

その内に島の東にそびえる小高い山や、西に広がる古い家屋の連なり…そんな物が見えて来ました…



僕はこの景色に見覚えがありませんでした…



『違うのかな…』

あの夜の話は、僕の聞き間違いだったのでしょうか?

それとも…両親はただ単に、旅行の話でもしていただけだったのでしょうか?

…そんな不安が僕の心に広がってゆきます…



でも…定期船の船着き場が見えて来た時に、そんな不安は消え去りました…

僕はこの場所を確かに知っている…

この船着き場を…この島でも一つしか無いこの売店を…

でも…そこまででした…

残念ながら、僕が誰なのか…十数年前にここで何があったのか…は思い出せませんでした

勿論彼女の事も…

僕は荷物を民宿に預けると、島内を歩き回ってみる事にしました…

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