誰かに聞いた怖い話
・・・ふたつの祟り13
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『お〜い…取れたか?』
『…う…うっ…!?』
上から降って来た声に彼は気付かなかった…彼の口から声は出ず、ただ呻き声の様なものが洩れただけだった…
『お〜い…まだか?』
この二度目の声で、彼は我を取り戻した…
そして、口内に溜まった唾をゴクリと飲み込むと…今までの生涯で出した事のない様な叫び声を、その喉から絞り出す事になる…
…男の視線の先には、相変わらず2人の女の子が彼をじっと見詰めているだけだった…
女の子達はまるで抱き合っているように、お互いを抱き締めてひとつになっている…
不思議な事に、死後数日間経っているにも関わらず、その透き通るような白い顔や、スカートから伸びる白い足には傷もなく…腐乱してもいなかった…
まるで蝋人形や、良く出来た日本人形のように…今にも眼を開けて微笑みを浮かべるような…そんな優しい穏やかな顔付きだったのが、唯一の救いだったと云えよう…
男達はこの2人の遺体を水からあげようと考えたのだが、何しろ現場が現場なだけに2人では無理な事だった…
幸いにも高巻き用のロープを持っていた為、男達は遺体が流れないように縛り付け、この事を伝えに村まで急いだのだった…
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