誰かに聞いた怖い話
・・・ふたつの祟り9
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村人達の懸命の捜索にも関わらず、娘達の行方は知れなかった…

娘達が釣り人によって発見されたのは、数日後の事だった…

娘達が発見された現場は、村の真ん中を流れる川の上流域である…この川は村の中を蛇行して流れていて、川の上流には龍神ヶ淵と云う深緑色をした、とっても深い淵があった…

この淵には昔から主が棲むと云われており、日照りの時などに雨乞いの儀式の為の生贄を放り投げると、たちまち渦に呑まれて二度と浮き上がっては来ないと云われていた…

村人達には神聖な場所とされており、暗黙の了解で入らずの地になっている…

その場所で釣りをする事など、先ず考えられない程罰当たりな事なのだが…県外から来た釣り人は、そんな事は知る由もなかった…





『おい、ここだよ…ここ』



『こいつはすげぇな!』

『いかにも大物が棲んでいます…って感じだな』



『そうだろ!以前知り合いに連れてきてもらった時は、普通の渓流竿じゃあ届かなかったんで諦めたんだが…今日はコレがあるからな』

そう言う釣り人の手には、見慣れぬ道具が握られていました



『うん…それでか…確かにポイント迄は遠いし…深そうだし、足場も悪いもんな』

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