誰かに聞いた怖い話
・・・ふたつの祟り8
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そして…とうとう東京から戻って来た男の周りに、厄災の降り懸かる時がやって来る

建築会社の社長が事故死してから、2ヶ月余りで…

その男の赤ん坊が産まれてから、僅か2ヶ月足らずで…突然原因不明の高熱を発し、医者の懸命の治療の甲斐もなくその子は西方浄土へと旅立った…

男と妻の嘆きは…端で見ていられない程であった…

特にこの男の取り乱しようは、普段の冷静沈着な彼には見られない事だった

彼は念願の跡取りとなるべき男児の誕生を、心待ちにしていたのだ…先に生まれた長女よりも…



…そうなのだ!その時、彼が一番大切なモノがその子だった……丁度、3年前の車のように……



村人達はこの頃から、祟りの噂を話し合うようになった…これはきっと御神木を伐った事か…弁財天の用を言いつかる蛇を殺した事のどちらか或いは両方の祟りだと…





しかし…人の噂もいつしかおさまるものである…

村人達の話から、祟りの話が消えようとしていた頃である

御神木を伐った時に一緒に作業をしていた若い衆の娘が、学校の友達と遊びに行ったきり帰らなくなる事件が起きた…

村人は総出で彼女達の捜索を行ったが、なかなか見つけられなかった…

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