誰かに聞いた怖い話
・・・ふたつの祟り5
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男にとってこの3年の月日は順風満帆だったと言って良かった…
彼の進めた総合レジャー施設の建設も順調に進み、彼は次回の県会議員選挙に、村人達から後押しされる形で立候補する事になっていた
外に誇れる大した産業基盤の無い小さな村に、一大レジャー施設は金の卵を生む鶏さながら、諸手で迎え入れられたのだった…
勿論反対派が居なかった訳では無いが、村を仕切る旧家の娘を嫁にもらい縁続きになった事で、誰も表立って反対する者は居なくなった
また私生活においても政略結婚とはいえ、娶った妻とまずまずの夫婦生活を送っていた…
もっともそれは…旧家の娘とは言っても本家の実の娘では無く、分家からこの為だけに養女にして嫁がせた娘だったからに違いなかった…
本家の娘だったなら気位が高く、多分上手くいかなかったに違いない
男は2年前に生まれた娘も大変可愛がったが…自分の跡継ぎの男の子が早く欲しかった為、妻の身籠もっている我が子に多大な期待を寄せていた…
だが…男の身の回りに不吉な影がちらほらと見え始めていたのは、この頃だった…
そして男の妻が男の子を産んだ夜から、そいつが牙を剥き始めたのだ…
先ずは建築会社の社長の身に…
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