誰かに聞いた怖い話
・・・ふたつの祟り3
.
『あれには…本当に驚きましたぜ』

『切り株を取り除こうとしたうちの若い衆が、蝮に咬まれた事もですが…蛇にガソリンを撒いて燃やしちまうとは…』

『でも……焼き殺したりして大丈夫だったんですかい?』

『確かこの村にある神社に奉られている神さんは、弁財天だと聞いとりますが…』



『そうじゃ…確か弁財天だったと思うが…』

『そう大した事でもあるまい…お前迄信じているんじゃあないだろうな?頭に黴の生えた村の老人達のように…』

『そんな事だと、これからの仕事を任せる訳にはいかんぞ』



『ご心配には及びやせん、私は祟りとか呪い何てものは信じていませんや』

『それよりリゾート開発の認可は下りそうなんで?』



『その件はあの先生…国会議員の先生に頼んである、来年にも通るじゃろ』



『じゃあ計画通りに進ませて頂きやす』

『遅ればせながら、今日宴会の席でおっしゃってた旧家の娘との縁談、お目出度う御座いやす』

『これで反対する者も居ないでしょう』



『まぁ…政略結婚と言うやつや』

その時は男も、本心からそう思っていたのだった…





…それから別段何事も無く、3年の月日が流れていった…

[前頁へ][次頁へ]

32/97ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!