誰かに聞いた怖い話
15話…ふたつの祟り
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『御神木の祟りって言っても、たいした事無い話なんだな』

私の話にサーファーの彼が拍子抜けしたような顔で話し掛ける…

でも…彼はまだ知らないのだ…御神木の祟りが何だったのか…

この後…男が体験した、苦悩と絶望の日々を…





『今日は無礼講だ、どんどん呑んでくれ』

屋敷がようやく完成し、今日は村人達を呼んでの御披露目の日だった…

ひと通りの挨拶を済ませた男に、村の主だった人達が代わる代わる御祝いの言葉を述べに来たが、その人達を顔ではにこやかに歓待しながらも、男は一つの話題を話し出すきっかけを待っていた…





彼には屋敷が完成する迄の数ヶ月間の間に、村の旧家の娘との縁談が持ち上がっていた

この話は双方にとっても都合の良い話であった…

特にこの男にとっては…この村に密かに計画しているゴルフ場を中心としたリゾート施設の開発には、この村の実力者である旧家の口添えが必要だった

旧家の方にしても農地解放令の影響で男の援助が欲しかった





男の屋敷を建てた後、男に気に入られリゾート開発に一枚噛む事になった建築会社の社長は、その夜宴会が終わった後にこう尋ねた

『旦那、一つ聞いてええですか』

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