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バトルロワイヤルパロ
基山ヒロト 3/3

笑い声がする
ぼたぼたと何かが滴り落ちる音がする
ギュイーン…と何かが動く音がする

二人の声がした
足音は一つしかしないのに……

『二人』…いるんだ!!

『みーつけたぁ」

ヒロトは愕然とした
先程まで後ろから聞こえていた足音が

右から聞こえてきた

(何で…?!)
ヒロトはそれでも走る
…が今度は、左から聞こえてくる

右、左、後ろ

足音は遊んでいる
ヒロトを玩具にして―――

「嫌だ…嫌だ……!!」
ヒロトは頭を振りながら、それでも懸命に走った
声を振り払うように叫ぶ
その様な行動をしばらく続けていた

すると、ふっと足音がしなくなった
見失ったのだろう
ヒロトはその場にしゃがみ込んだ
「助かった…助かったんだ……」
ヒロトが思わず安堵した、その時だった

がさり、と足音がした
ヒロトの顔はみるみるうちに青ざめていった
足音の聞こえる方向は

ヒロトの前方からだった

ゆっくりと顔を上げる
そこには白銀の髪をした

悪魔がいた

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少年は笑った
その少年の目は左右で色が違った
片方の目は水色
もう片方の目は黄色だった
その少年は逃げ回るヒロトを

切った

ヒロトは倒れた
星の様な輝きを放っていた目は
真っ暗な闇に包まれた

腹部からはヒロトの髪の色と同じ
赤い物が流れていた―――

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少年は笑った
『楽しいね、兄ちゃん』

少年も笑った
「そうだね、アツヤ」

少年の笑顔はまるで

悪魔の様だった

少年は握っていた『自分の命を守る物』を見て
満足そうに笑った

真っ赤に染まったチェンソーを―――

そう、彼らは二人じゃない
二人で一人なのだ―――

『さようなら、基山ヒロト君」


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あきゅろす。
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