バトルロワイヤルパロ
基山ヒロト 2/3
「それにしても…」
しんと静まり返ったこの森
時折吹く風は冷たく、思わず身震いしてしまう
(はやくここから出たいなぁ…)
その場所はけして、心地良い環境とはいえなかったが
今はそんな事を言っている暇はなかった
(とりあえず、あんまりここに留まっているのも逆に危険だし…
歩いてみよっかな)
そう思い、ヒロトが立ちあがろうとしたその時
微かに音が聞こえた
(誰か…来る!!)
ヒロトは大きな木の陰に身を潜めた
息を殺し、音を立ててしまわない様に
細心の注意を払う
恐怖で冷や汗がどっとでた
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しばらくすると、どんどん足音が大きくなっていった
そしてその足音はぴたりと止んだ
ヒロトはそっと木の陰から様子を窺う
そこにいたのは
吹雪だった
しかし、その吹雪が持っていた物を目にするなり
ヒロトは恐怖のどん底に叩き落とされた
ヒロトは走りだした
もつれる足を必死に動かした
息を止め、少しでも音を出さない様に走った
気付かれない様に
殺されない様に
その時だった
がしゃんと大きな音がした
見れば木に引っ掛かってバッグに穴が開いていた
そこから懐中電灯が落ち、音を立てて壊れたのだった
ヒロトはまた走り出した
後ろから笑い声がする
ぼたぼたと何かが滴り落ちる音がする
ギュイーン…と何かが動く音がする
二人の声がした
足音は一つしかないのに……
『二人』…いるんだ!!
『みーつけたぁ」
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