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*Melt*
No.8




1分が過ぎた。
結果は俺の完敗。
1分間ずっと続けたのに、一勝もできなかった。
俺ってどんだけジャンケン弱いんだよ……。




「しばらくはメガネかけちゃダメだからね♪」


「うぅ……」




雪那が楽しそうに言う。
だけど、その顔ももちろん、はっきりとは見えていない。




「悠、そろそろ戻ろうぜ?」


「うん。そうだn……ぅわっ!?」




立ち上がろうとした瞬間足がもつれて転んでしまう。




「おい、大丈夫か!?」


「大丈夫……たぶん」


「危ねぇなあ。ほら、つかまれよ」




そう言って桐原は手を差し出してきた。








…――まあ、そんなこんなで、現在にいたるわけなんだけど……
桐原に掴まってるのに、また転びそうになるとか……自分のことながら本当に呆れる。




「もう少しで教室着くぜ」


「うん」




桐原はすごく優しくしてくれてるから、感謝するべきだろうけど、俺が今こんなことになってるのはいちおう桐原のせいでもあるわけだし……本当に素直に感謝していいのだろうか?





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あきゅろす。
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