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DREAM
《おめでとう》銀時







真っ白な病室で、蓮は眠っている銀時の手を握る。

「私があの時…しっかり確認していれば…」


___…「おい蓮!!危ねぇ!!!!!!」

鈍い衝突音、宙を舞った貴方の身体、混乱する周囲。

数メートル先に倒れている貴方からは、赤い、どろっとした…

「銀…さん…?」



___…

呼吸器、管、包帯。
銀時の体には痛々しく、事故の形跡が残っている。

「私が轢かれたらよかったのに…」

涙が溢れてきた。

「銀さんを失うなんて…考えられない……」

涙はいくら泣いても、枯れる事は無かった。






何日経っただろう。
銀時は一向に目を覚まさない。

「銀さん…今日、誕生日だよ…」


____…

「蓮!ハッピーバースデー!」
「銀さん!ありがとう…!」
「銀さん蓮のために奮発して名前入りチョコプレート付きのケーキ買っちゃったよ!!」
「本当にありがとう…銀さん、ありがとう…!次は銀さんの誕生日、たくさんお祝いするからね!!」
「マジで!?!!ありがとうな!!」





___…

「銀さん、ケーキここに置くよ。」

《銀さん、お誕生日おめでとう!》
チョコプレートには祝いの文字、ささやかではあるがベッドの周りも飾り付けた。

「お祝い…しようよ…」

あと30分で日付が変わろうとしている。

銀時の手を強く握り、小さく呟いた。

「銀さん……、銀さん…っ!!」





「…蓮……?」
「!!」

微かに、銀時の口元が動き
小さな声で名前を呼んだ。

「銀さん…?」
「俺……生きてんのか…?」
「生きてる!ここにいる!」
「てっきり死んじまったかと……うおッ!?」
「銀さん…銀さん…銀さんっ!!」

蓮は銀時を抱き締めた。
銀時は、多少痛みを感じたものの、優しく抱き締め返した。

「心配かけたな、蓮。」
「ううん…私のこと庇ったせいで…銀さんが…」
「あれは信号無視のトラックのせいです〜」
「私のせいだよ…」
「めそめそすんな!ほら!銀さん復活したんだから!」
「うん…」
「ところで、このハッピーな感じの部屋は何?」

その瞬間に2人の距離が縮まり、銀時は唇に柔らかい感触を感じた。

「えっ…」
「お誕生日おめでとう、銀さん。」

照れ笑いの銀時、泣き笑いの蓮。

ずっと一緒に、寄り添って生きていく。

この笑顔と共に。





















「一応銀さんの誕生日なんで僕らもお祝い持ってきたんですけど」
「入れる空気じゃないアル」
「私もクッキー作ってきたんだけれど…」
「お妙さん!!俺に少しだけ分けて下さい!!」
「やめろ近藤さん!自滅する気か!?」
「土方さん、その手に持ってる犬の餌を喜んで食うのはアンタだけだと思いやすぜ。」
「銀時はこの病室か。はやく入ればよかろう。」
「空気読めよヅラァァァァッ!!今中でいい感じになってんでしょうがァァァ!!!!」
「新八うるさいアル聞こえるアル!!じゃあもう読者の方に向けて文面で伝えるアル!!せーのっ!!」




「「「「「「「銀さん!お誕生日おめでとう!!!!!!」」」」」」」








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