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DREAM
《握った手》銀時



外では雨が降っていて、傘を差した人たちがちらほらと歩いている。

その様子を窓から眺めていた蓮。

「銀さーん。雨だよ雨。」
「あー窓閉めといてくれや。」

漫画を読みながら気怠そうに返事をする銀時。

「…」
「…どした?」
「外行こう。」
「嫌です〜寒いです〜」
「パフェ奢ってあg」
「支度出来たぞ、ほら早く靴履けよ。」


外は案外肌寒く、あちこちに水たまりが出来ている。

「おーい蓮、なんでまたこんな雨の中出てきたんだよ。」
「なんとなく、かなー」
「寒いし風邪引くぞ!蓮が風邪引いたら銀さん看病出来ませんからね!!!」
「はいはい…」

…雨の日は、なぜか気が重くなるんだ。

「あのさ銀さん…」

《いつまで一緒にいられるの?》

その言葉を口にしようとした瞬間、

「あれ、雨止んじまったな……あっ!!おい蓮!!見てみろよ!!」
「?」

銀時が指を指す方向を見れば、大きな虹が江戸の空にかかっていた。

「虹…」
「すげーなぁ…見たことねぇくらいのデカい虹だ…」

子供のようなキラキラした瞳で虹を見つめる銀時に、蓮はクスッと笑う。

…普段はこんな顔しないのに。

「なぁ、蓮」
「ん?」
「また見ような。」
「…うん、絶対。」

あなたは強いから、戦う。
いつも守ってくれる。
だからこそ、いつ私の目の前からいなくなってしまうか不安になる。

でも…

「ほーらっ!気分も上がったしパフェ食いに行くぞ!」
「私の奢りだからって…」

この握った手の暖かさが、絶対という言葉が、あなたの意思を表しているなら…

「銀さん」
「なんだ?」
「大好きだよ。」
「そっ…そういうことは人前で言うんじゃありませんッ!!!いつからそんなませガキになったんですかお父さん知りませんよ!!!!」

いつまでも、繋いでいよう。

「俺だって好きだバカヤローーーーー!!!!!!!!!!!」

虹のかかる空の下、歩く二人は永遠に。
繋いだ手は、いつまでも。




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